DJI「Osmo」が業界に与えるインパクト

ビデオの撮影・編集も嫌いじゃない中筋です。

ドローン空撮入門で散々お世話になっているDJIさんのビデオカメラ「Osmo」の発表会に行ってきました。

先日のCEATECでも見たんですが、この製品、面白いです。

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簡単に説明すると、究極に手ぶれしない仕組みを持ったビデオカメラです。これまでのいろいろなビデオカメラにも手ぶれ補正機能が付いていました。でも、それとは次元の違う安定感があるのがOsmoです。

その仕組みとは「3軸ジンバル」です。3軸ジンバルというのは、上下/左右/傾き(XYZの3軸ですね)にモーターで動く、カメラ用の台のこと。Osmoのグリップとカメラユニットの間にある部分(下の写真の赤くないところ)がジンバルです。

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ジンバルには、平衡センサーが内蔵されていて、持ち手が傾くと検知して、カメラ自体の傾きを補正してくれます。

例えばiPhoneで動画を撮ってみたりすると、持っている手が動いたり、歩いたりすると、撮影された映像も当然ぐらぐら揺れますよね。後で観ると、揺れまくっていて酔いそう、なんてこともあったりします(半面iPhoneの手持ち撮影動画とか、ライブ感やリアリティーはあるんですけど)。

それが、3軸ジンバルを使うと、持ち手とカメラの間に動きが補正されるので安定するという仕組みです。動きとしては、蕎麦屋のおか持ちを載せる出前機(マルシン出前機)に近いのですが、これは重力に任せて安定させるの対して、3軸ジンバルはセンサーとモーターで制御します。

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このジンバルの技術、以前からドローンのカメラにはよく採用されているもので、いわばDJIの得意のデバイスをパッケージ化して出してきた格好です。あと、業務用の高価なジンバルは以前からありました(RONIN といっても、RONINも業務用としてはリーズナブルな価格設定です)が、これを小型化して搭載した初の低価格かつ本格的なビデオカメラがOsmoです。

実際の映像はどうかというと、発表会では実機で撮ったデータを持ち帰れなかったので、DJIのプロモーションムービーを観てみてください。

DJI Osmo – Moments

 

これを観て「普通のプロモーションビデオっぽい」と思ったとしたら、正解です。こうした安定した映像を撮るのには、高価なジンバルやドリーといったプロ用の機材を(お金をかけて)使うのが、これまでの常識でした。Osmoは4Kで撮影できるので、ちょっとした業務なら使用可能でしょう。最近は、ウェブでの動画のニーズが高まっていますが、一方で予算に余裕は限られるという状況が多々あるので、そうした現場で重宝されるのではないでしょうか。

あと、ファミリーやハイアマチュア向けにも結構人気になる気がします。一般的な家庭用ビデオカメラとOsmoの違いは、Osmoのレンズが単焦点(35mm相当で20mm)でズームがない点で、これは大きなデメリットです。でも、被写体に近づける、あるいは引いて撮る撮影なら、これで撮ったほうがいいという場面がたくさんありそうです。

個人利用を意識しているのを感じたのは自撮りが簡単にできるところ。Osmoはグリップのボタンを2度押しするとカメラがくるりと向きを変えてるセルフィーモードが用意されています。オプションには、自撮り棒っぽいスティックもありますし(この棒を使ってクレーン的な撮影もできます)。
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モニターでの確認や設定変更、カメラの操作はスマホを無線でつないでDJI GOアプリで行うのですが、アプリには、自動パノラマ撮影や微速度(タイムラプス)撮影、スロー映像撮影が用意されていて、いろいろな使い方できそうです。個人的には、パンしながらのタイムラプスとかが簡単にできそうで楽しみです。

実は、私、iPhoneを搭載する3軸ジンバルグリップを持っているのですが、挙動が不安定だったり、チルトやパンがしづらく使い勝手がイマイチでした。Osmoはそうした難点を解消してくれそうです。

ということで、ちょっと触っただけではありますが、Osmoは、映像制作業界、ビデオカメラ業界(業務用/家庭用両方)に大きなインパクトを与えそうな気がしました。価格が税込8万5000円、出荷が11月上旬です。

また、実機を試す機会ができたら、今後は映像を一緒に紹介してみたいと思います!