私のご先祖様は地下鉄工事中の穴に落ちて亡くなった、とばあちゃんが言っていました。
地下鉄とはそんな浅からぬ縁のある中筋です。
ちょっと前から気になっていたネタを書き留めておきたいと思います。
先日、地下鉄の東京メトロに乗って、駅から出ようとした時に見慣れないものを見つけました。
下の写真のようなサイン(標識)です。
「何だろう、これ?」
エレベーターとセットで掲示されているのですが、意味が分からない。
赤色の長方形の中に「r」の白抜き文字……。
ネットで聞いたら誰かが教えてくれるかも、とFacebookに投稿してみましたが、皆さん「?」という反応でご存じの方はいないようです。
通常「赤」は警告に使用することが多い色なので、災害時などの非常口を示すのでしょうか。
しかし、通常は非常口のサイン(人が走っているあの緑色のやつ)があるので、ここだけ独自にする理由がありません。
さらに「r」の字の意味は……なんでしょうか?
分からない……。
東京メトロのウェブサイトには、「サインシステム基準改正」に関する記事はあるものの、この「赤い四角にr」のサインについては情報ありません。
分からないからといって困るわけではないのですが、よく利用する乗り降りするエレベーターで見かけるので気になって仕方ない。
なので、東京メトロに問い合わせてみました。
しばらく待っていただいた回答は、以下の通り。
“弊社では駅のサインシステムについて、
順次リニューアルを進めているところでございますが、
その中で、地上に繋がるエレベーターを色分けし、サインシステムに表記する改修を行っています。「r」については、色の英語表記「red」の頭文字を取ったもので、
青であればブルーの「b」、緑であればグリーン「g」となります。”
結論としては「地上につながるエレベーターを色分けして示すサイン」ということだそうです。
うーん、正直これってデザインとしてイマイチじゃないですか?
サインはそもそもパッと見て誰でも分かることが重要なわけで、「赤や青の色が付いている」のは「地上に出る」というのはなんの脈絡もない。
おまけに色の英語表記の「r」って(おそらく色覚障害の方のための対策なのではないかと思うのですが)、この一文字のせいで「なん省略なの?」という混乱が生じてしまいます。
さらに、直感的でないデザインなので、せめて利用者に対するPRが必要だと思うのですが、公式サイトにもこのサインに関する情報は見つけられない(私が見つけた駅の駅員さんに聞いてみても最初は「なんだろうあれ?」と調べ始めてしまいました)。
いずれにせよ公共のサインなのですから、もう少しわかりやすくしてほしいもんです。
ちなみに、今ではトイレのサインとして当たり前の、男性の人型、女性の人型も、使われ始めた大阪万博のころは一般の人たちはわからずに結局サインの下に「便所」といった文字が書き足されたそうです。
確かに、人型とトイレにはなんの関連性もないですからね。
それでも、長年使われていく中で定着して誰にでも通じるようになるサインもあるとは思います。
この地上行きエレベーターのサインも時間が経てば定着するのかもしれませんが、みんなが慣れるまではそうとう時間がかかりそうです。