Apple SIM、国内発売開始。なので、どんなものかをiPad Proで試してみた【追記 iPhoneでも試した】

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Apple Pencilが入荷していないかなと思ってアップルストアに通い続ける中筋です。

残念ながらApple Pencilは在庫なしでした(早く入荷して!)が、代わりに面白いものを仕入れました。海外では1年ほど前から販売されていたApple製品専用のSIMカード「Apple SIM」です。

日本でも本日11月17日に発売されましたので、早速購入してみました。以下、Apple SIMの情報についてまとめ&検証です。

【11/20に、Apple SIMをSIMフリーiPhoneに挿したらどうなるか、追記しました】

 

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そもそも何ができるものなの?

セルラーモデルのiPadなどでデータ通信を可能にします。
いわゆる「格安SIM」などのカードを挿して、データ通信を行うのと同じです。

では「格安SIM」カードとApple SIMの違いは何かというと、一般的な格安SIMがカード1枚で1種類の通信会社としか契約できないのに対して、Apple SIMは1枚で海外を含めた多くのキャリアに対応するのです。

契約するキャリアやプランを画面上で選んで利用できるようになります。ただし、現時点では日本国内で対応している通信会社は、au(KDDI)のみです。

プランが選べないんじゃあ、あまりメリットがない?と思うかもしれませんが、Apple SIMが役に立つのは、海外へ行った場合です。
通常は、現地で高額なローミングをするか、プリペイドSIMのカードを入手して差し替える必要がありますが、Apple SIMを挿したiPadなら到着して画面からキャリアとプランを選ぶことですぐ利用可能になります。

どの端末で利用できる?

Apple SIMはiPad Pro、iPad Air 2、iPad mini 4、iPad mini 3に対応。

当然ですがSIMカードスロットを備えた、いわゆる「WiFi + セルラーモデル」のみ。

あと、手続き中に出てきたのですが、キャリアによっては一部機種に非対応のようです。auの場合、モデル名「A1601」のiPad mini 3が利用できないという表示がありました。

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どこで買えるの? 価格は?

オーストラリア、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、オランダ、スペイン、スウェーデン、スイス、トルコ、英国、米国のApple Store。

この他の国でもApple SIMは利用可能(後述)ですが、販売はしてないってことですね。あと、オンラインのApple Storeでは販売していません。Retail Storeのみです。

SIMカード自体の価格は648円(税込)で、この代金の中にはデータプランの料金は含まれていません
カード代=初期費用となります。

どこで使えるの? 逆に、どこで使えないの?

世界90以上の国と地域で、主要な通信事業者の携帯電話データプランを選べます。
使える国は、アップルの公式ページに掲載されています。
Apple SIM

これを見ると、
ロシア、中国、香港、台湾、シンガポール、ブラジル、アルゼンチン、チリなどでは使えないようです(2015年11月時点)。
ヨーロッパと北米はほぼOKで、アジアと南米には未対応の国が多い気がします。

日本のプランは? 実際に試してみた。

早速、先日届いたばかり(ペンシルはまだない)のiPad Proに挿してみたいと思います。

通常日本で扱われているSIMカードには、docomoやau、Softbankのロゴが入っていますが、Apple SIMにはアップルマークがプリントされています。

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装着してiPad Proを起動します。

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「設定」アプリの「モバイルデータ通信」項目を開くと「モバイルデータ通信を設定」ボタンを表示されるのでタップします。

 

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キャリアを選択する画面になります。ちなみに、この手順はWiFiにつながっていなくても進められます。

契約前でも契約のための通信は可能なんですね。

 

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「GigSky」という選択項目がありますが、実際は利用できません。日本は対象外とのことです。

「au」を選択するとまず初期登録の手続きを選んで、個人情報と決済(クレジットカード)情報を入力します。

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auの登録手続きが完了後、「設定」アプリの「モバイルデータ通信」項目から「新規プランを追加」を選んで「データチャージ」を行います。

暗証番号を入力して進めると、支払い方法や自動リチャージをするかなどの設定画面になりますので選択して進めます。

データチャージの単位は、1GB当たり1620円の一択。支払い方法も、「auかんたん決済」の一択です。ここでまたクレジットカード情報を入れる必要があります(先ほどの初期手続きでのカード情報入力は信用情報の確認のためだったようです)。

これを見る限り、アップルがApple IDに登録したクレカから決済を代行するといったことはないのですね。

個人情報と決済情報は、海外旅行でいった際に新しいキャリアを選択するたびに設定する必要があるようです。

クレジットカード情報が問題なく通れば、これで開通です。

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最初で不慣れだったのもありますが、初期手続き含めて40分ほどかかってしまいました。

 

auのLTE回線速度は、お約束のRBB TODAY SPEED TESTの結果を貼っておきます、参考までに。

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結局、何が便利なの?

Apple SIMが適しているのは(対応するiPadのセルラーモデルを持っていることは前提として)、
・海外へ旅行する人
・海外から来日した人
・セルラーの通信はときどきしかしない人(ただし格安SIMでもっといい選択肢はある)

以上のような人たちだと思います。

今後はどうなる?

これは、アップルがキャリアの契約販売の代理店業務をやっているようなもの。
もし通話プランが登場してiPhoneでも使えるようになれば、Apple SIMを買うだけでもう携帯ショップの店頭行かなくても回線を利用できるようになるかもしれません。
従来はSIMフリーモデルしか販売していなかったApple Storeが、ドコモショップなどと同じような携帯ショップのようになるのかも。

キャリアとアップルの関係がどうなっていくのか。当面はデータ通信のみにしても日本国内で他のキャリアが対応するのか、そんな動きに注目だと思います。

【追記】

上で対応記事が対応機種について書きましたが、念のため。iPhoneには非対応ですね。
対応機種を調べずに買ってしまった方が記事を書いていたので、そういう人もいるかと思いました。

ほぼ使えねー!!のAppleSIMに業界が大騒ぎの謎

確かに私も店頭で店員さんに「iPhoneでは使えますか?」って確認したことを思い出しました。

上の記事の最後でも触れていますが、じゃあiPadでアクティベーションしたApple SIMをiPhone(SIMフリー)に挿したらどうなるか、気になりますよね。

結論としては「圏外」になり、使えません。まあ、非対応ですから当然ですね。電波は掴んでいるようですが。使えたら面白かったですけど。



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以上、Apple SIMでした。